ブックタイトル電子版 多聴多読マガジン Vol.56 2016年06月号 ver 1.0.1

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電子版 多聴多読マガジン Vol.56 2016年06月号 ver 1.0.1

キーワードで見るニュースの裏側Lost tax revenue is one consequence of this system; even moredangerous is its deep damage to democratic rule and regionalstability when corrupt politicians have a place to stash stolennational assets out of public view.失われた税収は、この穴だらけの金融システムの結果のひとつにすぎない。もっと憂慮すべきは、腐敗した政治家が国民の資産を盗み、それを民衆の目の届かぬ場所に貯め込めるという事実がわかったとき、それが民主主義の仕組みと地域の安定に及ぼすであろう深刻なダメージだ。政治の世界へ広がる「パナマ文書」の影響4月10日段階で、まだパナマ文書に日本やアメリカの政治家の名は発見されていない。なぜか。日本人やアメリカ人は正直だから、ではない。わざわざパナマの法律事務所を使う必要がないからだ。ウォール街にはもっと「有能」な法律事務所がたくさんある。アメリカの場合はonshore(オンショア、国内)租税回避地の存在も大きい。仮にオフショアを利用するとしても、オンショアのダミー会社を間に入れて資金を動かすだろうから、それだけ名前は出にくくなる。しかし、すでに北欧アイスランドの首相は辞職に追い込まれた。事実上の独裁国家であるロシアのプーチン大統領は意に介さず、「悪質な情報攻撃」だと怒ってみせる。中国共産党の指導部は黙殺を決め込み、パナマ文書に関する報道を禁じている。だから中国の富豪や芸能人(ジャッキー・チェンとか)は、たぶん逃げ切るだろう。テレビ放映権の契約をめぐる疑惑が浮上したUEFA(欧州サッカー連盟)の場合はどうか。すでにスイスの司法当局による捜査が始まっており、幹部の責任追及は避けられない雰囲気だ。不正な蓄財を暴かれた途上国のリーダーたちもあぶない。貧しい民衆の怒りが爆発すれば、クーデターなどでその地位を追われるかもしれない。それは(2013年の「アラブの春」がそうだったように)国に民主化をもたらすかもしれないし、内戦やテロリストの台頭による混乱を招くかもしれない。ちなみに本稿執筆の時点で、イギリスのキャメロン首相はまだ辞めていない。しかし、たとえ法的な問題はなくても彼が辞任を選択する可能性はかなりある。6月にはイギリスのEU(欧州連合)残留の是非を問う国民投票が待っているからだ。投票でstay(残留)を勝ち取るために必要なら、キャメロンは潔く職を辞すだろう。Brexit(British exit=イギリスの離脱)阻止の命題は首相のクビよりも重い。なぜか?離脱はスコットランド(EUとの連携強化を望んでいる)の独立につながり、独立はGreat Britain(イングランド、スコットランド、ウェールズの連合体)の崩壊を意味するからだ。2016 JUNE 139