ブックタイトル電子版 多聴多読マガジン Vol.56 2016年06月号 ver 1.0.1
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電子版 多聴多読マガジン Vol.56 2016年06月号 ver 1.0.1
多聴多読的読書ガイド【YA(ヤングアダルト)】柴田里実(常葉大学准教授)ふたつの話が巧みに交錯しドラマティックなエンディングに章ごとに、話し手や主人公が変わるタイプの本は、YAでもよく見かけます。今回は、ふたりの登場人物の話が交互に描かれ、最後には巧みに交錯し、感動を与える3冊をご紹介します。I Will Always Write Backは、アメリカの少女と偶然文通することになったジンバブエの少年との11年間の交流を描いた実話です。12歳のCatlinと14歳のMartinが文通を通し、成長していきます。1990年代後半、アメリカで裕福な暮らしを送るCatlinは、遠い国で暮らすMartinの苦難を知る由もありません。Martinを通して貧困について深く知るCatlin。Catlinのおかげでつらい現実を乗り越えていくMartin。実話なだけに、ふたりを応援する気持ちで読み進めることができます。実際にお互いに送りあった写真も掲載されており、本を読み終える頃には、11年間を彼らと一緒に過ごしたような気持ちになります。学校に通えることがどれほど幸せなことなのか、親友とは何を意味するのかなどを考えさせられる作品です。2冊目のA Long Walk to Waterは、実話をもとに描かれた南スーダンの内戦下での話です。1985年の少年の話と2008年の少女の話が並行して交互に描かれています。なぜふたつの話が並行して進むのか不思議に思いながら読み進めると、最後に見事につながります。ふたりへの試練は読んでいてつらくなりますが、学びの多い1冊です。Will Grayson, Will Graysonは、WillGraysonという同姓同名のふたりの高校生の話です。奇数章は同性愛者の親友を持つWillについて、偶数章は本人が同性愛者であるWillについて描かれています。偽の身分証、未成年の飲酒など破天荒なアメリカの高校生活が描かれていて驚かされます。そんな中、ふたりのWillがどこで巡り合うのか、どう交錯して行くのかが見所です。144 2016 JUNEI Will Always Write Back●YL:5.5-6.0A Long Walk to Water●YL:4.0-4.5Will Grayson, Will Grayson●YL:6.0-7.0?関連情報●著者:Martin GandaCaitlin Alifirenka●出版社:Little, Brown Books●総語数:82,879語12歳のアメリカ人の少女と、学校の課題で文通することになった文通相手のジンバブエの少年。11年間の文通で、ふたりの人生は激変する。感動の実話。●著者:Linda Sue Park●出版社:Clarion Books●総語数:21,221語2008年、南スーダンに生きる少女の話と1985年、同じく南スーダンに生きる少年の話が交互に描かれる。ふたりの話がどうつながるのか?実話に基づいたフィクション。●著者:John GreenDavid Levithan●出版社:Dutton Books●総語数:74,277語別々の学校に通う同姓同名のふたりの少年は、それぞれ悩みがある。あるとき、偶然出会い、人生に大きな変化が。ふたりの作家が、交互に執筆した異色の小説。Will Grayson, Will Graysonは、TheFault in Our Starsの著者で、YAの名手であるJohn Greenと、Every Dayの著者DavidLevithanが作り上げた珍しい作品です。通常、大文字であるべきところが小文字であったり、スラングや、メールで使用する略語が多用されていたりと、非常に現代的な作品です。重要人物のTiny Cooperがなんとも憎めず、Audiobookでは彼の歌声が響きます。LGBT*がテーマのYAとしてThe New York Timesのベストセラーリストに載った最初の本だそうです。YouTubeの自身のチャンネルでGreen自ら、この本について熱弁しているのも面白いですよ。*lesbian(レズビアン)、gay(ゲイ)、bisexual(バイセクシャル)、transgender(トランスジェンダー)。